1988年のフランス政府との合意に基づき、公式にアメリカ国内へのフランス産ぶどう樹の輸入が可能になると、フランスのディジョン大学で選抜されたピノ・ノワールやシャルドネのクローンがアメリカ国内でも入手可能となりました。
これらのクローンから生まれた1990年代のアメリカ産ピノ・ノワールやシャルドネの質は驚嘆すべきもので、特にソノマや北のメンドシーノ、南のサンタバーバラといった冷涼地域の斜面状の畑では、最上級のブルゴーニュワインにも匹敵すると評価を受けるワインが造られています。
1990年代は、生理的成熟を遂げた糖度の高い果実から、よりアルコール度数が高くインパクトの強い味わいのワインが造られる傾向にありましたが、近年では、先端的な生産者が行き過ぎたこの傾向を見直し始め、よりデリケ一トでバランスの取れた自然な果実の風味を尊重したワインづくりに向かいつつあります。
2008年以降の経済危機により高価格ワインの愛好家が減少していましたが、アメリカのワイン消費量は堅実に成長し、今でもカリフォルニアワインの愛好家は世界中で増加しています。